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 オーブランの少女 感想

「オーブランの少女」 

深緑野分 東京創元社 

下手に書いてネタバレになってもいけないので、細かな感想は詳細欄で。
主に「少女」をメインに据えたミステリー短編集です。

続きはネタバレ注意。




総評
非常に楽しめました。
短編集なので1話あたりはさくっと読めるし、充実感も不足なし。
短編1話ごとに時代設定などがガラリと変わるが、主に少女にまつわる謎を書いているためかぶれずに読める。
巻末に参考文献が挙がっておりしっかりとした立脚点があるんだなーと感じました。描写が有耶無耶にならずなるほどと納得できるのはこういうところから来るんでしょうか。

難を言えばストーリーとしては面白いですが、ミステリー的には謎関連がいまいちパンチが弱いというか。本格的な推理というか話のエッセンスとしては十二分なのでいいと思うんです。まあ偉そうなことを書きましたが私は結末まで一つも解らなかったよ!(手がかりが見えないとかそういうことではありません)
あとちょっと落ちがすっきりしない感じの話が。お話としては落ちるんだけど後日談を想像してしまうというか。作者のほうでがっちり区切って読者側に与えるのは妄想の余地だけにしてほしいというか。この辺は好みの問題かな。
少女性というところで書いているのでその未来に思い至ってしまうのだろうか。

まあ正直ね、いちばんグッときたのはね、ふへへ、作品全体に漂う耽美な雰囲気というか作中の少女がまとうエロい怪しさというか。
ストーリーの落ちと同じくらいにこの少女たちはどうなってしまうんだよーーというところが最も楽しかったです。


以下は各話についてさらっと。
事件について書くとネタバレしか書けない感じなので、ハアハアした部分だけ書こう。
しかし少女々と連呼していると、まるで私が変態でそれを目的に買ったように見えるが全然そんなことはない。いい本だと思ったから買ったのだ。変態性についてはうん、まあ、その・・

「オーブランの少女」
ミステリーズ!新人賞の佳作をとった話らしいです。
冒頭からかなり衝撃的な描写があるのですが、メインは過去編。
少女たちの関係性描写が好き。後半の展開と比較してこの辺がきれいでよかったと思う。

「仮面」
近代フランスのお話。
ああいう罠に引っかかってはいけない。
まあ俺ならイチコロかな。(手遅れ)

「大雨とトマト」
現代のお話。
一際短い話だが、それ故かしっかり落ちがついてすっきりする。
右往左往するおっさんの心情が現代的でかつ妄想豊かだったりとなかなか笑える。

「片思い」
昭和か大正かぐらいの日本の話。
いい話というべきか可愛い話というべきか。作者様には失礼かもしれないがミステリーじゃなくても結構なものを書けるのではと思ってしまった。

「氷の皇国」
おそらくは近代の北欧の想定かな?たぶん架空の国の話。
大雨とトマトと違ってこちらは最も長い話。
たっぷり描写される作中の空気感が素敵。メタい視点でいえば犯人はすぐ予想できるが俺には解決法はさっぱりだったからおおっと唸った。

   
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