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 夜市 感想  無駄のない文章の余韻 

「夜市」 (角川ホラー文庫)
恒川光太郎 (著)
角川グループパブリッシング

「あらすじ」Amazonより→


第12回(2005年) 日本ホラー小説大賞受賞の作品ということである。
つっても怖さ恐さがグイグイ来るような作品でもないので、その辺は安心してよいと思う。
地続きの世界観であろう「風の古道」も収められており、こちらはよりファンタジー&ノスタルジーという感じである。


ホラーというだけで普段手を付けもしないのだが(怖いから)、これは不思議と心惹かれて全く抵抗なく読み進めることができた。
実際、ホラーというよりはノスタルジックな寂しさ・悲しさを余韻に残す作品であると感じる。
読んで損なし。装丁もよろしくお勧めである。

とにかく非常に読みやすい!
結構ススッと不可思議な世界である「夜市」に入っていくのですが、その辺の読みづらさ・入りにくさを感じさせず、無駄な文章が一つたりともなく実に上手い。

梅雨~夏の夕暮れあたりに読むと気分的に最適な本といえるかな。





「夜市」も「風の古道」も不思議な世界であるが、そこに人間がいてそしてやったことの始末もつけないとならない(羽目になる)。
そこはあまり善悪とかいうのではなく、特に「夜市」においては決まり事なんである(まあこの本には悪人も出るけど)。

どんな世界であっても人の因果なんてそんなもので、後悔して、不思議な力に縋ってみても元通りにも望むようにもならなくて。
でも残ってる自分も時間とともに進んだり離れざるを得ない。

もうね、そういうことが清涼感さえ漂う文章から感じられてね、そんな刺激が自分にある部分を突いてくるのが正にこのノスタルジックな余韻を覚えさせるところなのかなと思います。

そして「もう戻れないんだろうな」という寂しさを呼び起こすって意味では怖い話なのかもしれませんね。


   
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